ものづくり補助金の加点項目一覧|狙える加点と準備スケジュール【第23次対応】

加点は「おまけ」ではない——団子レースを抜け出す武器

皆さん、こんにちは。王子かわはし事務所の川橋です。

ものづくり補助金の採択率は直近で30〜34%。3件に1件しか通りません。計画書の質が最重要なのは間違いありませんが、審査は団子レースです。似たレベルの計画書がずらっと並んだとき、加点の数で順位が変わります。

実際、採択された事業者のほとんどが複数の加点を持っています。加点ゼロで採択されるケースはゼロではありませんが、かなり厳しいと思ってください。

ただし、加点の中には「今から動いても間に合わない」ものや、手間の割に合わないものもあります。この記事では、第23次公募(2026年5月8日締切)の加点項目を一覧で整理し、「本当にやる価値があるもの」と「余裕があれば取るもの」を分けて解説します。

第23次公募の加点項目一覧

第23次公募の加点項目は、大きく2つのグループに分かれます。

政策加点(加点①グループ)

加点項目概要現実的な狙いやすさ準備期間の目安
パートナーシップ構築宣言取引先との共存共栄をWeb上で宣言今すぐやるべき即日〜1週間
事業継続力強化計画(BCP)の認定経産省から防災・事業継続計画の認定を受ける中長期なら約1ヶ月
経営革新計画の承認都道府県から新事業計画の承認を受ける中長期なら2〜3ヶ月
健康経営優良法人の認定経産省の健康経営認定制度該当者のみ年1回の募集(秋頃)
再生事業者中小企業活性化協議会等の支援を受けている該当者のみ

賃金・成長加点(加点②グループ)

加点項目概要現実的な狙いやすさ準備期間の目安
最低賃金に関する加点事業場内最低賃金の引き上げに取り組む該当者のみ
DX認定経産省のDX認定制度ハードル高(IT企業向け)3〜6ヶ月
グリーン(脱炭素)関連CO2削減等の具体的取り組みGX類型申請者向け1〜2ヶ月

注意:第22次にあった賃上げ関連の加点(給与支給総額4.0%以上増加の目標設定)は第23次で廃止されました。 古い情報サイトには残っていることがあるので気をつけてください。

なお、健康経営優良法人・再生事業者・最低賃金の加点は「該当すれば申請書に記載するだけ」です。自社が対象かどうか確認しておいてください。DX認定はIT戦略の明文化が必要でハードルが高く、グリーン加点は成長分野進出類型(GX)で申請する場合に関連が深い項目です。いずれも加点のためだけに無理に取りに行く必要はありません。

今すぐやるべき加点は「1つだけ」

加点は全部取れるに越したことはありませんが、現実的に「今すぐやれ」と言えるのはパートナーシップ構築宣言だけです。

パートナーシップ構築宣言(即日・無料・唯一の即効加点)

「パートナーシップ構築宣言」とは、中小企業庁が推進する取引慣行改善の取り組みです。取引先との共存共栄を宣言し、Webポータルに登録するだけで加点がもらえます。

手順:

  1. パートナーシップ構築宣言ポータルサイトにアクセス
  2. 宣言内容を入力(テンプレートあり)
  3. 代表者名で登録・公開

費用はゼロ、手続きもオンラインで完結します。取らない理由がない加点です。

ところが、支援の現場では「そんな制度、知らなかった」という方が非常に多いのが実態です。知っていれば即日で取れる加点を、知らないまま逃している。もったいないですよね。まだ登録していなければ、今すぐやってください。

中長期で取っておきたい加点

以下の2つは、加点のためだけに慌てて取りに行くことはオススメしません。ただし、次回公募以降を見据えて余裕があるときに準備しておけば、邪魔にはなりません。

事業継続力強化計画(BCP)の認定

取得の目安:申請から認定まで約45日

自然災害や感染症などのリスクに対する事業継続計画を策定し、経済産業大臣の認定を受ける制度です。

中小企業向けの制度ではありますが、正直なところ意外と手間がかかります。「簡易版BCP」と紹介されることもありますが、実際にやってみると書類の準備に想定以上の時間を取られます。加点のためだけに急いで取りに行くと、肝心の事業計画書に充てる時間が削られて本末転倒になりかねません。

次回公募に向けて、時間に余裕があるときに腰を据えて準備するのがベストです。

経営革新計画の承認

取得の目安:申請から承認まで2〜3ヶ月

新事業活動(新商品開発、新サービス、新たな生産方式など)の計画を策定し、都道府県知事の承認を受ける制度です。

加点としての効果は高いですが、準備に時間がかかります。計画書のボリュームもBCPより多く、3〜5年の経営計画を数値付きで作成する必要があります。

注意点:

  • 承認権者は都道府県(窓口は産業振興課など)
  • 承認まで2〜3ヶ月かかるため、ものづくり補助金の公募が出てから動き始めても間に合わないことが多い
  • ただし、経営革新計画自体が経営の見直しに役立つため、加点目的だけでなく取り組む価値がある

「持っていればラッキー」くらいの位置づけで、余裕があれば次回公募に向けて今から動き出してください。

加点の準備スケジュール

第23次(5月8日締切)に向けた現実的なスケジュールです。

時期やること
今すぐパートナーシップ構築宣言を登録(まだの人は即やる)
3〜4月事業計画書の作成に集中(加点より計画書が本丸)
4月計画書の仕上げ、GビズIDの確認
5月8日申請締切

第23次に間に合わなかった加点がある方へ: 次回公募(第24次)はまだ公表されていませんが、過去の傾向から見て秋頃に公募が出る可能性があります。今のうちにBCPや経営革新計画を準備しておけば、次回は加点を最大化した状態で臨めます。焦って計画書の質を犠牲にするより、中長期で着実に積み上げるほうが得策です。

加点だけでは採択されない——本丸は計画書

最後に大事なことを。加点をいくら積んでも、計画書の質が低ければ採択されません。審査は団子レースですが、レースに参加できるだけの計画書がなければ、そもそもスタートラインに立てません。

加点の準備に時間を取られて計画書が中途半端になるくらいなら、パートナーシップ構築宣言だけ登録して、残りの時間は全部計画書に注ぎ込む。これが一番現実的な戦略です。

計画書づくりに不安がある方は、事業計画書の書き方ガイドも合わせて読んでみてください。

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