ものづくり補助金 2026|第23次は5/8締切・最大3,500万円【要件と採択率】

ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。中小企業や小規模事業者が、革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に取り組む際、その設備投資等の経費を国が補助する制度です。中小企業庁が所管し、全国中小企業団体中央会が事務局を務めています。

名称に「ものづくり」とありますが、製造業に限った制度ではありません。小売業、サービス業、IT企業なども対象です。業務システムの開発やクラウドサービスの構築といった取り組みでも申請できます。

第23次公募はすでに始まっており、申請の締切は2026年5月8日です。この記事では、制度の仕組みから申請の流れ、採択に近づくためのポイントまでを解説します。

2026年度の枠と補助上限額一覧

ものづくり補助金には「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの枠があります。製品・サービス高付加価値化枠はさらに「通常類型」と「成長分野進出類型(DX・GX)」に分かれます。

製品・サービス高付加価値化枠の補助上限額

従業員規模通常類型成長分野進出類型(DX・GX)
5人以下750万円1,000万円
6〜20人1,000万円1,500万円
21〜50人1,500万円2,500万円
51人以上2,500万円3,500万円

補助率は、中小企業が1/2、小規模事業者が2/3です。

グローバル枠

従業員規模補助上限額
全規模共通3,000万円

海外への直接投資や海外市場の開拓、インバウンド対応などの取り組みが対象です。補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3です。

大幅賃上げ特例・最低賃金引上げ特例

補助上限額をさらに引き上げる特例措置があります。

特例名条件効果
大幅賃上げ特例給与支給総額を年平均6.0%以上増加(基本要件3.5%+追加2.5%)する計画を策定補助上限額が100万円〜1,000万円上乗せ(従業員規模に応じて)
最低賃金引上げ特例事業場内の最低賃金が一定水準以下補助率が2/3に引き上げ

採択率の推移|直近は30〜34%で推移

ものづくり補助金は、制度開始以降23回の公募が行われています。採択率は回によって変動しますが、直近の傾向を把握しておくと申請の判断材料になります。

申請件数採択件数採択率
第1次62.4%
第19次31.8%
第20次33.6%
第21次1,872件638件34.1%
グローバル枠(第21次)21.9%

制度開始当初は60%台でしたが、近年は30%台で推移しています。「3件に1件」が通る水準であり、計画書の質が採否を大きく左右します。グローバル枠はさらに厳しく、20%台です。

当事務所(王子かわはし事務所)では、ものづくり補助金の支援先について約90%の採択率を維持しています。技術的な課題をどうやって自社のリソースで解決するのか、その基準や方法について、お互いが納得いくまでヒアリングを重ねます。補助金の獲得だけでなく、自社の成長につながる計画を一緒に考える。この姿勢が、9割の採択率につながっています。

対象者の要件|中小企業・小規模事業者の定義

ものづくり補助金の対象者は、日本国内に事業所を持つ中小企業者等です。業種ごとに資本金と従業員数の基準が定められています。

業種資本金従業員数
製造業・建設業・運輸業等3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下

いずれも「資本金」と「従業員数」のどちらか一方を満たせば対象になります。個人事業主も申請可能です。

ただし、第21次公募から常時使用する従業員が1名以上いることが要件に加わりました。従業員ゼロの事業者は申請できません。

また、従業員21名以上の企業には一般事業主行動計画の公表が求められます。この手続きには2週間以上かかるため、該当する場合は早めに準備してください。

基本要件|賃上げ・付加価値額の成長目標

ものづくり補助金には、申請時に満たすべき「基本要件」があります。採択された場合、補助事業期間中にこれらの目標を達成する必要があります。

要件基準備考
給与支給総額の増加年平均3.5%以上第22次までは2.0%。第23次で引き上げ
付加価値額の増加年平均3.0%以上付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
事業場内最低賃金地域別最低賃金+30円以上

給与支給総額の基準が第23次で2.0%から3.5%に引き上げられました。この変更は実務上のインパクトが大きいため、申請前に自社の人件費計画と照らし合わせてください。

これらの要件は単なる「目標」ではありません。補助事業終了後に要件を満たしていない場合、補助金の一部または全部の返還を求められることがあります。計画段階で実現可能な水準かどうかを慎重に判断してください。

補助対象になる経費

補助対象として認められる経費は以下の9種類です。

経費区分内容注意点
機械装置・システム構築費機械・装置の購入、システムの開発・構築必須(1つ以上計上が必要)。単価50万円以上は相見積もりが原則
技術導入費知的財産権の導入に要する経費
専門家経費事業遂行に必要な専門家への謝金・旅費
運搬費運搬・宅配・郵送にかかる費用
クラウドサービス利用費クラウドコンピューティングの利用料
原材料費試作品の開発・試験に必要な原材料の購入費
外注費自社で対応できない加工・設計の外部委託費用
知的財産権等関連経費特許権等の取得に要する弁理士費用など

なお、汎用性が高いパソコンやタブレット、事務用のプリンターなどは対象外です。補助事業にしか使わない専用設備であることが原則です。

対象経費の詳細やよくある落とし穴については、ものづくり補助金の対象経費9種類と「対象外」の落とし穴で詳しく解説しています。

第23次公募のスケジュールと申請の流れ

第23次公募のスケジュールは以下のとおりです。

項目日程
公募開始2026年2月6日
電子申請受付開始2026年4月3日 17時
申請締切2026年5月8日 17時(厳守)
採択発表締切から3〜4か月後(見込み)
実施期限(製品・サービス高付加価値化枠)交付決定日から10か月以内
実施期限(グローバル枠)交付決定日から12か月以内

採択後に交付決定を受けてから補助事業を実施し、実績報告と検査を経て補助金が入金されます。

申請方法

申請はjGrants(電子申請システム)のみです。郵送での申請は受け付けていません。

jGrantsを利用するには、GビズIDプライムのアカウントが必要です。GビズIDの取得には2〜3週間かかるため、まだ取得していない場合は今すぐ手続きを始めてください。

申請に必要な書類

申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

書類内容
事業計画書補助事業の取り組み内容・将来の展望・会社全体の事業計画の3部構成。PDF形式で10ページ以内。審査の中心となる書類
決算書(法人)/ 確定申告書(個人)法人は直近2期分の決算書(貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書・販売管理費内訳・個別注記表)の写し。個人事業主は直近の確定申告書の写し
一般事業主行動計画従業員21名以上の企業が対象。策定・届出・公表を済ませたうえで証明書類を添付

大幅賃上げ特例や最低賃金引上げ特例を利用する場合は、それぞれ追加の証明書類が求められます。公募要領で最新の提出書類一覧を確認してください。

採択される事業計画書のポイント

ものづくり補助金の審査は、技術面・事業化面・政策面の3つの観点で行われます。

技術面 では、取り組みの「革新性」が問われます。革新性とは、世界初・業界初である必要はありません。自社にとって新しい取り組みであり、かつ既存の方法と比べて明確な優位性があることを示せれば十分です。「何がどう変わるのか」を具体的に説明してください。

事業化面 では、市場にニーズがあるか、事業として成立するかが評価されます。ターゲットとなる顧客は誰か、市場規模はどの程度か、どのように販路を確保するかを、根拠のある数字で示すことが求められます。

政策面 では、地域経済への波及効果や雇用の拡大など、政策目的との整合性が見られます。

事業計画書は10ページ以内という制約があります。文章だけで埋めるのではなく、写真・図表・グラフを活用して視覚的に伝えることが大切です。審査員は多くの計画書に目を通すため、一読して内容が理解できる構成を心がけてください。

多くの計画書を見てきた立場から言えば、最大のコツは公募要領にある審査の観点から逸脱しないことです。10ページは意外と少なく、端的にまとめる力が求められます。「自社の現状と課題」→「今回の補助金を使った投資(解決策)」→「将来の収益・成長計画」。この流れが一本の線でつながっている計画書は、審査でも高く評価されます。

よくある失敗パターンは、自社の得意分野や技術的な優位性と、取り組む内容のリンクが正しく取れていないケースです。このずれがあると計画全体の具体性があいまいになり、審査員に「本当に実現できるのか」という疑問を持たれてしまいます。

事業計画書の書き方については、ものづくり補助金の事業計画書の書き方|23次公募の審査項目と採択される構成でさらに詳しく解説しています。

計画書づくりに迷ったら|王子かわはし事務所の伴走支援

「制度の概要は分かったけれど、自社の事業にどう当てはめればいいか分からない」。そうした方は少なくありません。

王子かわはし事務所では、中小企業診断士が事業計画の策定段階から伴走支援を行っています。

支援の出発点は、書類のテクニックではありません。「何を実現したいのか」「そのために何が必要か」を一緒に整理するところから始めます。事業の方向性が固まれば、計画書の内容は自然とついてきます。そして、その方向性が明確な計画こそ、審査でも評価されます。

申請書類の作成だけでなく、採択後の補助事業の実行、実績報告まで一貫してサポートできるのが、当事務所の強みです。

支援の流れはシンプルです。まず初回相談(60分・5,000円)で、補助金の活用が可能かどうかを判断します。活用できる見込みがあれば、事業のヒアリングと事業計画の策定支援に進みます。着手金は5万円(初回相談料を充当するため実質4.5万円)で、計画書を仕上げて提出するところまでサポートします。採択された場合のみ成功報酬が発生し、不採択の場合は成功報酬はかかりません。

ご相談は電話(050-6869-1215・平日9:00〜18:00)、LINE、またはお問い合わせフォームから受け付けています。

よくある質問

Q. 個人事業主でも申請できますか?

申請できます。個人事業主も中小企業者等に含まれます。ただし、常時使用する従業員が1名以上いることが第21次公募以降の要件です。従業員ゼロの場合は申請できません。

Q. 不採択だった場合、再申請はできますか?

再申請できます。次回以降の公募に改めて応募してください。不採択の理由は公式には開示されませんが、事務局に問い合わせると概要を教えてもらえる場合があります。計画を見直して再チャレンジする事業者は多く、2回目で採択されるケースもあります。

Q. ソフトウェア開発やシステム構築も対象になりますか?

対象になります。「ものづくり」という名称ですが、商業・サービス業も含めた幅広い業種が対象です。業務システムの開発やクラウドサービスの構築なども、革新的なサービスとして申請できます。

Q. 採択率を上げるためにできることはありますか?

加点項目の取得が有効です。経営革新計画の承認や事業継続力強化計画(BCP)の認定を事前に取得しておくと、審査で加点されます。これらの計画は申請前に承認・認定を受けておく必要があるため、早めに準備を始めてください。加えて、事業計画書の完成度が採否を分ける最大の要因です。革新性・実現可能性・収益性を具体的な数字で示すことを意識してください。

Q. 加点項目にはどんなものがありますか?

主な加点項目は、経営革新計画の承認、事業継続力強化計画(BCP)の認定、最低賃金に関する加点などです。第23次では、第22次にあった賃上げ関連の加点(給与支給総額4.0%以上増加の目標設定など)が廃止されました。加点項目は公募回ごとに変わることがあるため、公募要領で最新の内容を確認してください。

Q. 事業計画書で審査員が見ているポイントは何ですか?

審査は技術面・事業化面・政策面の3つの観点で行われます。技術面では取り組みの革新性と実現可能性、事業化面では市場ニーズの有無と収益計画の妥当性、政策面では地域経済や雇用への波及効果が評価されます。いずれも「なぜそう言えるのか」を根拠のある数字と具体的な計画で示すことが求められます。


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