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持続化補助金の創業枠(創業型)完全ガイド|上限200万円を活かす方法

「創業したばかりだから補助金は無理」——本当にそう?

皆さん、こんにちは。王子かわはし事務所の川橋です。

「開業して間もないから、まだ補助金は早いですよね?」——この相談、実はかなり多いです。

答えは真逆です。開業1年以内だからこそ使える補助金があります。それが持続化補助金の「創業型」。通常枠の補助上限が50万円なのに対して、創業型は最大200万円。その差は4倍です。

ただし、創業型は通常枠とは別の要件があります。特定創業支援等事業の証明書が必要だったり、申請の準備に独自の知識が求められたりと、知らずに進めると足をすくわれるポイントがいくつもある。ただし、2026年から対象が「1年以内」に厳格化されたので、開業時にはすでに計画を練り始めているはず。せっかく作った事業計画を活かさない手はありません。

この記事では、創業型の対象条件、200万円をどう使うべきか、計画書で審査員が見ているポイントを、実務の目線で整理します。

「創業枠」は廃止。「創業型」として独立した

まず混乱しやすいポイントを整理しておきます。

以前の持続化補助金には「通常枠」「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」と複数の枠がありました。第17回以降、これらの特別枠はすべて廃止。創業枠は「創業型」として別制度に独立しました。

つまり、今は2つの制度が並行しています。

項目通常型(旧・一般型)創業型(旧・創業枠)
補助上限50万円(特例で最大250万円)200万円
補助率2/3(赤字特例3/4)2/3
対象者小規模事業者全般開業1年以内の小規模事業者
申請先商工会議所/商工会商工会議所/商工会

ネットで「持続化補助金 創業枠」と検索すると、旧制度の情報がまだ大量に出てきます。2025年以前の記事は制度が違いますので注意してください。

対象条件——2026年から「1年以内」に厳格化

創業型の最大の注意点がここです。

第3回(2026年)から、対象が「過去3年以内の創業」→「過去1年以内」に変更されました。

具体的には、開業届に記載した開業日から公募締切日までの期間が1年以内であることが条件です。たとえば2026年4月30日が締切なら、2025年5月1日以降に開業した方が対象になります。

以前は3年の猶予があったので「そのうち申請しよう」で間に合いましたが、今は開業したらすぐに検討を始めないと間に合いません

「特定創業支援等事業」の証明書が必須

創業型の申請には、市区町村が発行する「特定創業支援等事業の証明書」が必要です。これは産業競争力強化法に基づいて、認定された市区町村が商工会議所や金融機関と連携して実施する創業支援プログラムを受けた証明です。

具体的には、経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野について、4回以上・1か月以上の継続的な支援を受ける必要があります。

注意すべきは、この支援の内容が市区町村ごとに異なることです。セミナー形式のところもあれば、個別相談で対応するところもある。ネットで「特定創業支援等事業」と調べて出てくる情報は、自分の自治体とは違うケースが普通にあります。必ず自分が創業する市区町村の窓口に直接問い合わせてください。見聞きした情報で済ませると、要件を満たせず申請できないという事態になりかねません。

その他の条件

  • 従業員数: 業種に応じて5人以下(商業・サービス業)または20人以下(製造業その他)
  • 確定申告: 開業して間もない場合は開業届の写しで代替可
  • gBizIDプライム: 電子申請に必須。取得方法はこちら
  • 商工会議所(または商工会)の事業支援計画書: 管轄の確認を忘れずに

200万円を何に使うか——創業期の投資判断

200万円あれば、かなりのことができます。逆に言うと、何にでも使えてしまうから迷う。ここが創業期の難しさです。

対象経費は通常型と同じで、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、借料、委託・外注費などが使えます。

創業期に多い使い方

使い方経費区分
業務用機器の導入機械装置等費製造設備、検査機器、厨房設備
店舗の看板・内装機械装置等費集客のための設備投資
チラシ・パンフレット広報費販促物の企画・制作・印刷
展示会への出展展示会等出展費ブース出展料、装飾費

機械装置等費を理解する

創業型で金額が大きくなるのは、ほとんどの場合この「機械装置等費」です。200万円の補助上限を活かすなら、ここが計画の軸になります。

対象になるもの:

  • 製造設備(加工機、印刷機、食品加工機器など)
  • 厨房設備(オーブン、急速冷凍機、冷蔵庫など)
  • 店舗什器(陳列棚、ショーケース)
  • 看板・サイン
  • トレーニング機器、美容機器、施術用設備
  • POSレジ、券売機

対象にならないもの:

  • 汎用PC・タブレット(補助事業以外にも使えるため)
  • 車両(自動車、バイク)
  • 不動産(建物の取得・建設・改修)
  • 消耗品に近いもの(文房具、日用品)

ポイントは「補助事業のために必要な設備かどうか」です。審査員は「なぜその設備が必要なのか」「その設備でどう売上が変わるのか」を見ています。設備のカタログを貼り付けるだけでは不十分で、計画書の中で投資の必然性を説明する必要があります。

もうひとつ実務的な注意。単価50万円(税抜き)以上の設備は2社以上の相見積もりが必要です。1社しか扱っていない場合は業者選定理由書を書くことになります。見積もりは早めに動いてください。創業したてだと取引実績がないぶん、業者との段取りに時間がかかることがあります。

ただし、ここで大事なのは「何を買うか」ではなく「なぜそれが必要か」です。

補助金でお金をかけても、それが成長(売上アップ)に繋がらなければ意味がありません。「この投資で売上がどう変わるか」を常に意識してください。

やりがちな失敗

  • 200万円を使い切ろうとする: 補助金があるからといって不要な投資をすると、自己負担分(1/3)で約67万円が出ていく。創業期の資金繰りに響く
  • あれもこれもで散漫になる: 計画書の説得力が落ちる。投資先は2〜3つに絞るのが鉄則
  • ランニングコストを見落とす: 月額課金のツール導入は補助対象期間中しか使えない。期間終了後に自費で払い続けられるか

計画書で審査員が見ているポイント

創業型は通常型と比べて、事業の将来性が特に重視されます。理由は単純で、実績がないから過去の数字で判断できないんです。

重要な4つの観点

1. 創業の動機と事業の独自性

「なぜこの事業をやるのか」が明確か。脱サラして何となく始めた、ではなく、業界での経験や顧客のペインからの発想があると強い。

2. ターゲット顧客の具体性

「30代女性」のようなざっくりしたターゲットはNG。「都心部在住・共働き・子供2人・週末に家族で外食する層」くらいの解像度が必要。

3. 収支計画の現実感

創業1年目から黒字予測を出すのは構いませんが、根拠がないと「甘い」と見られます。競合の単価や市場規模から逆算した数字のほうが説得力がある。

4. 補助事業の効果測定

補助金を使って何をして、その結果をどう測るか。「売上が増える予定」ではなく、「月間問い合わせ数を現状の◯件から◯件にする」のような定量目標を書く。

これは補助金の採択に限った話ではありません。自分の強みと、お客様の痛点(困っていること、解決したいと考えていること)がマッチしていること。そして、ちゃんと商売として成立すること。この2つが計画書の根幹です。

わたしがいつもお伝えしているのは、「だれに・なにを・どのように」を繰り返し自問することです。この3つが明確に答えられる計画書は、採択されやすいですし、何より事業そのものがうまくいく確率が上がります。

通常型と創業型、どちらで申請すべき?

開業1年以内であれば、基本的に創業型を選ぶべきです。理由はシンプルで、補助上限が4倍だから。

ただし例外があります。

  • 投資額が小さい場合: 30万円程度の投資なら、通常枠(補助上限50万円)で十分。創業型のほうが審査の難易度も上がるので、無理に創業型を選ぶ必要はない
  • インボイス特例・賃金引上げ特例が使える場合: 通常枠でも特例を組み合わせれば最大250万円になる。自社の状況に応じて比較検討する

迷ったら、両方の計画を並べてみてください。「200万円で何に投資するか」と「50万円で何に投資するか」を具体的に書き出すと、どちらが自分の事業に合っているかが見えてきます。

申請スケジュール——「創業1年以内」は思ったより短いしキツい

開業1年以内という条件は、逆算するとかなりタイトです。

  1. 開業: 開業届を提出
  2. gBizIDプライム取得
  3. 計画書作成: 初めてだと2〜4週間
  4. 商工会議所で様式4をもらう: 1〜2週間
  5. 電子申請: 締切日の数日前までに

開業から公募締切まで1年以内なので、実質的に開業して半年以内には動き始めないと間に合いません。公募のタイミングは年2〜3回ですが、自分の開業時期と合うとは限りません。

ひとつ実務的なアドバイスとして、計画書を書き終わる前に、商工会議所への様式4(事業支援計画書)の予約を済ませておくことをおすすめします。特に東京商工会議所は地域によって受付タイミングが異なります。計画書が完成してから予約しようとしたら、次の受付が締切後だった——という事態は避けたいところです。

創業型と他の創業支援制度

創業期に使える支援制度は持続化補助金の創業型だけではありません。

制度内容持続化補助金との違い
日本政策金融公庫の創業融資最大7,200万円の融資融資(返済あり)vs 補助金(返済なし)
各自治体の創業支援補助金自治体ごとに内容が異なる併用可能な場合あり
小規模事業者経営改善資金(マル経融資)商工会議所の推薦で無担保・無保証人融資融資(返済あり)

補助金と融資は性質が違うので、併用するのが基本です。補助金は返さなくていい代わりに金額が限られる。融資は返す必要があるが、まとまった資金を確保できる。創業期の資金計画は、補助金だけで考えないほうがいい。

まとめ

持続化補助金の創業型は、開業1年以内の事業者にとって最も使いやすい補助金のひとつです。補助上限200万円、補助率2/3。通常枠の4倍の金額が使えます。

ただし:

  • 2026年から「1年以内」に厳格化。開業したら早めに検討を
  • 200万円を「使い切る」のではなく、事業に必要な投資を見極める
  • 計画書では実績の代わりに「将来性」で勝負する

開業したばかりで何に投資すべきか迷っている方、計画書の書き方がわからないという方は、「申請すべきかどうか」の段階からご相談ください。創業期は判断を間違えるとリカバリーが難しいので、最初の方向づけが大事です。

まずは相談してみる(5,000円/60分)

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