持続化補助金 2026|第19回は4/30締切・最大250万円【条件と採択率】

小規模事業者持続化補助金は、従業員数が少ない小さな事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む際、その経費の一部を国が補助する制度です。中小企業庁が実施し、商工会議所・商工会を通じて申請します。

2026年の通常枠は補助上限50万円、補助率は2/3です。特例を組み合わせると最大250万円まで拡大します。 第19回公募はすでに始まっており、申請の締切は2026年4月30日です。

この記事では、制度の仕組みから申請の流れ、採択されるためのポイントまでを解説します。

この補助金のテーマは「小規模事業者の販路開拓」です。そのため、チラシや看板、展示会出展といった販促に関わる取り組みが採択されやすい傾向にあります。内装工事や機械の購入でも申請は可能ですが、販路開拓との関連性を示す必要があり、やや難易度は上がります。

審査で問われているのは、「どうすれば成長を持続できるか」という視点です。これは補助金に限った話ではありません。自社の成長を本気で考えて計画を立てること自体が、事業にとってプラスになります。

2026年度の枠と補助上限額一覧

小規模事業者持続化補助金には5つの類型が用意されています。

類型補助上限額補助率特徴
一般型(通常枠)50万円(特例併用で最大250万円)2/3最も申請件数が多い基本の枠
創業型200万円(インボイス特例で最大250万円)2/3創業して間もない事業者・これから創業する方が対象
共同・協業型最大5,000万円2/3複数の小規模事業者が連携して取り組む場合
ビジネスコミュニティ型50万円(共同実施は100万円)定額地域コミュニティと連携した取り組みが対象
災害支援枠直接被害200万円・間接被害100万円2/3自然災害で被害を受けた事業者向け

特例による上乗せの仕組み

通常枠の補助上限50万円に対して、以下の特例を組み合わせることで上限が引き上がります。

特例上乗せ額条件備考
賃金引上げ特例+150万円事業場内最低賃金を+50円以上引き上げる計画赤字事業者は補助率が3/4に引上げ
インボイス特例+50万円免税事業者→インボイス発行事業者に転換

両方の特例を併用すれば、通常枠でも50万円+150万円+50万円=250万円が補助上限となります。

採択率の推移|直近は37〜51%で推移

この補助金は2020年の制度開始以降、17回の公募が行われています。採択率は回によってばらつきがありますが、直近の傾向を把握しておくと申請の判断材料になります。

申請件数採択件数採択率
第1回90.9%
第6〜10回60%台
第15回41.8%
第16回37.2%(過去最低)
第17回23,365件11,928件51.0%
第18回未発表(2026年3月時点)

制度開始直後の第1回は90.9%でしたが、認知度が上がるにつれて競争が激化しました。直近の第17回は51.0%とやや回復したものの、「2〜3件に1件」が通る水準です。計画書の質が採否を分けます。

創業型は第1回の採択率が37.9%でした。通常枠よりも厳しい傾向にあります。

当事務所(王子かわはし事務所)では、持続化補助金の支援先について約95%の採択率を維持しています。初回で惜しくも不採択となったケースでも、計画を練り直して再チャレンジした場合は100%採択に至っています。計画書の精度を高めることで、採択の可能性は大きく変わります。

対象者の要件|「小規模事業者」の定義

この補助金でいう「小規模事業者」には、業種ごとに従業員数の基準があります。

業種常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
製造業・建設業・運輸業・宿泊業・娯楽業など20人以下

法人・個人事業主のいずれも申請できます。開業届を出していない場合は対象外です。

ただし、医療法人・社会福祉法人・学校法人・NPO法人などは対象になりません。株式会社・合同会社・特定非営利活動法人(一部)・個人事業主が主な対象です。

自社が対象になるかどうか判断に迷う場合は、管轄の商工会議所または商工会に確認するのが確実です。

なお、「自分が使おうとしている経費が補助対象になるか」は、最近ではAIチャットに公募要領の内容を踏まえて質問すれば、ある程度の判断がつきます。基本的に対象外となりやすいのは、通常の事業活動に使う仕入れや人件費です。また、タブレットやノートPCのように汎用性が高い機器も対象外になるケースが多いため、注意してください。

補助対象になる経費10種類

補助対象として認められる経費は以下の10種類です。

経費区分内容注意点
機械装置等費事業に必要な機械・設備の購入・製作費
広報費チラシ・パンフレット・ポスター作成、新聞・雑誌広告
展示会等出展費展示会・商談会の出展料・ブース装飾費
旅費販路開拓のための出張交通費・宿泊費
新商品開発費新たな商品・サービスの試作・開発経費
資料購入費事業遂行に必要な図書・資料の購入費
借料機械・設備のリース料・レンタル料
委託・外注費自社で対応できない業務の外部委託費用
設備処分費既存設備の処分費用補助金総額の1/2が上限
ウェブサイト関連費HP作成・改修、ウェブ広告費補助金総額の1/4が上限。単独申請不可

ウェブサイト関連費には独自のルールがあり、注意が必要です。

ウェブサイト関連費は使いにくい|この補助金はオフラインと相性がいい

ウェブサイト関連費には、他の経費にはない制約がいくつかあります。

まず、補助金総額の1/4が上限です。通常枠50万円の場合、ウェブサイト関連費に使えるのは最大12.5万円にとどまります。12.5万円でホームページを新規制作するのは現実的ではありません。

さらに、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。必ず他の経費と組み合わせる必要があります。SNS広告の運用費やSEO対策の外注費など、対象になるかどうかの線引きが曖昧な経費も多く、申請時に迷いやすいところです。

小規模事業者にとってWeb集客は有効な手段です。しかし、この補助金の仕組みとの相性はあまりよくありません。

むしろ、チラシの制作・配布、看板の設置、展示会への出展といったオフライン施策との相性が良い補助金です。販路開拓の手段としてオフラインの取り組みを軸に計画を組み立てるほうが、制度の趣旨にも合致し、採択されやすい傾向にあります。

Web集客を本格的に進めたい場合は、IT導入補助金など別の制度も視野に入れて検討するとよいでしょう。

実際に当事務所が支援した事例をひとつ紹介します。ある焼肉店は味には定評があったものの、店舗の視認性が低く、通りがかりの来店が少ないという課題を抱えていました。持続化補助金を活用して、チラシの制作・配布、店外へのデジタルサイネージの設置、看板の整理を行ったところ、年間売上が800万円増加しました。Web施策ではなく、オフラインの販促を軸にした好例です。

第19回公募のスケジュールと申請の流れ

第19回公募(一般型・通常枠)のスケジュールは以下のとおりです。

項目日程
申請受付開始2026年3月6日
事業支援計画書(様式4)発行受付締切2026年4月16日
申請受付締切2026年4月30日 17:00
採択発表(見込み)締切から3〜4か月後
補助事業の実施期限2027年6月30日
見積書等の提出期限2027年5月30日

注意すべきなのは、様式4の締切が申請締切の2週間前に設定されている点です。様式4は管轄の商工会議所または商工会に発行を依頼する書類で、自分では作成できません。商工会議所側にも審査・発行の時間が必要なため、少なくとも締切の1週間前、つまり4月上旬には相談に行くのが安全です。

申請方法

申請はjGrants(電子申請システム)のみです。郵送での申請は受け付けていません。

jGrantsを利用するには、GビズIDプライムのアカウントが必要です。GビズIDの取得には2〜3週間かかるため、まだ取得していない場合は今すぐ手続きを始めてください。

申請に必要な書類

申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

書類作成者内容
経営計画書・補助事業計画書(様式2・3)事業者自社の現状分析、経営方針、補助事業の内容と効果。審査の中心
事業支援計画書(様式4)商工会議所/商工会事業者が依頼し、商工会議所が発行。締切は4月16日
決算書(法人の場合)直近の貸借対照表・損益計算書の写し
確定申告書(個人事業主の場合)直近の確定申告書の写し

賃金引上げ特例やインボイス特例を利用する場合は、それぞれ追加の証明書類が求められます。公募要領で最新の提出書類一覧を確認してください。

採択される経営計画書のポイント

採択される事業者の計画書には共通点があります。それは「誰に・何を・どうやって」が明確であることです。

ターゲットとする顧客は誰か。その顧客にどんな商品・サービスを届けるのか。そのためにどういう手段で販路を開拓するのか。この3点を自分の言葉で具体的に説明できている計画は、審査でも説得力を持ちます。

逆に、「何となく機械が欲しい」「補助金が出るなら設備を入れたい」という動機から出発した計画は、大抵うまくいきません。機械を入れて何がどう変わるのか、誰にどう届けるのかが抜け落ちていると、審査項目に対する回答が空疎になり、計画全体が破綻します。

具体的なポイントとしては、以下の3つを意識してください。

1つ目は、自社の強みと市場分析を数字で示すことです。「地域に競合が少ない」ではなく、「半径3km以内に同業は2店舗、うち1店舗は高価格帯で当社とは客層が異なる」のように書きます。

2つ目は、補助事業の効果を定量的に見通すことです。「売上が増える」ではなく、「月間来店客数を現在の200人から250人に増やし、客単価1,500円で月商37.5万円を目指す」のように、根拠のある数字で計画します。

3つ目は、経費の妥当性を根拠付きで示すことです。なぜその金額なのか、なぜその業者に発注するのかを説明できる状態にしておきます。見積書は必ず複数社から取得してください。

多くの計画書を見てきた立場から言えば、採否を分ける最大の要素は「3年後、5年後に自社がどうありたいか」という目標の有無です。目標が明確な事業者は、そこから逆算して今やるべきことを説明できます。結果として、計画書全体に一貫性が生まれ、審査員にも伝わる内容になります。

計画書づくりに迷ったら|王子かわはし事務所の伴走支援

「制度の概要は分かったけれど、自分の事業にどう当てはめればいいか分からない」。そうした方は少なくありません。

王子かわはし事務所では、中小企業診断士が経営計画の策定段階から伴走支援を行っています。

支援の出発点は、書類のテクニックではありません。「誰に・何を・どうやって届けるか」を一緒に整理するところから始めます。事業の方向性が固まれば、計画書の内容は自然とついてきます。そして、その方向性が明確な計画こそ、審査でも評価されます。

申請書類の作成だけでなく、採択後の補助事業の実行、実績報告まで一貫してサポートできるのが、当事務所の強みです。

支援の流れはシンプルです。まず初回相談(60分・5,000円)で、補助金の活用が可能かどうかを判断します。活用できる見込みがあれば、事業のヒアリングと経営計画の策定支援に進みます。着手金は5万円(初回相談料を充当するため実質4.5万円)で、計画書を仕上げて提出するところまでサポートします。採択された場合のみ成功報酬が発生し、不採択の場合は成功報酬はかかりません。

ご相談は電話(050-6869-1215・平日9:00〜18:00)、LINE、またはお問い合わせフォームから受け付けています。

よくある質問

Q. 過去に採択されていても再申請できますか?

申請できます。ただし、過去に採択された補助事業の実績報告が完了していることが条件です。同一内容での再申請は認められないため、新たな取り組みとして計画を作成する必要があります。

Q. 個人事業主でも申請できますか?

申請できます。法人・個人事業主のいずれも対象です。個人事業主の場合は確定申告書の写しが必要になります。

Q. 申請から入金までどのくらいかかりますか?

申請締切から採択発表まで約3〜4か月かかります。その後、補助事業を実施し、実績報告と検査を経て入金されます。申請から入金まで、早くても1年程度を見込んでおいてください。補助金は後払いの仕組みのため、事業実施に必要な資金は先に自己負担で用意する必要があります。

Q. 商工会議所と商工会、どちらに相談すればよいですか?

事業所の所在地によって管轄が異なります。市区の中心部は商工会議所、町村部は商工会が管轄するのが一般的です。どちらに該当するか分からない場合は、最寄りの商工会議所または商工会に問い合わせてください。


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