4. 実は大事な経営理念について

事業計画書の書き方とは少しだけ違うので、この章はスキップしても構いませんが重要なことなのでお伝えします。

経営理念とは?

経営理念とは何でしょうか?ChatGPT先生にきいてみたら、こんな答えが返ってきました。

「経営理念」とは、企業が存在する目的や基本的な価値観、使命感を明確に示したものです。これは企業活動の指針となり、経営方針や戦略、そして日々の業務の土台となる考え方を形にしたものです。

経営理念の主な役割

  1. 企業の方向性を示す
    経営理念は、企業がどのような社会貢献を目指し、どのような価値を提供するかといった長期的なビジョンを明確にします。これにより、従業員や関係者は共通の目標に向かって行動しやすくなります。
  2. 意思決定の基準となる
    日々の業務や戦略的な判断において、経営理念が基準となります。これにより、一貫性のある行動や倫理的な判断が促進されます。
  3. 企業文化の形成
    経営理念は企業文化の根幹を成し、働く人々がどのような価値観や態度で業務に取り組むべきかを示します。これにより、組織内に共通の信念や目標が醸成されます。

経営理念の具体例

例えば、ある企業が「お客様第一」を掲げている場合、この理念は製品やサービスの開発、顧客対応、マーケティングなどあらゆる活動において中心的な価値観となります。従業員は顧客満足を最優先に考え、意思決定の際も顧客にとって最善の選択を選ぶよう努めるでしょう。

経営理念の策定と活用

  • 策定方法
    経営理念は、経営陣が企業の創業時に定めることが多いですが、経営環境の変化に応じて見直しや更新を行うこともあります。策定の際には、企業の歴史や文化、市場のニーズ、社会的使命などを総合的に考慮します。
  • 活用方法
    経営理念は社内外に広く共有され、社員教育や採用活動、広報活動に組み込まれることで、企業全体に浸透します。また、日常の業務で経営理念を意識することで、理念に沿った行動が強化されます。

結論

経営理念は、企業の根幹を成す基本的な指針であり、企業活動全体において大切な羅針盤の役割を果たします。これにより、企業は一貫した方向性を保ち、従業員やステークホルダーと共通の価値観を共有しながら成長していくことが可能となります。

なんかそれっぽいんですけど、ちょっと総論的な印象を受けます。
わたしはよく、経営理念とは「会社がどこを目指して、どんな存在になるべきかを示すもの」とお伝えしています。

経営理念は活動全般の背骨になっていき、経営者、従業員の判断基準の根っこになります。逆に理念がないと、長期的なビジョンが足りなくなり、短期的な利益追求、思いつきの判断などが起こりやすいです。ちょっとドキッとしたあなた。この機会に経営理念について考えてみましょう。

経営者は好きなことで飯を食うために起業してる

経営者にはなにかしらの起業した理由があります。その属性は大きく3つに分けることが出来ます。
①事業機会型
特徴
: 市場に新たなチャンスや未充足のニーズを見つけ、それをビジネスとして形にしたいと考えるタイプです。
補足: 周囲の環境やトレンドを鋭く捉え、革新的なアイデアを基にリスクを取って新市場開拓に挑戦します。ビジョンと戦略で市場を切り拓くことに重点を置く傾向があります。

②生計確立型
特徴
: 安定した雇用や収入が得られない状況から、自ら起業して生計を立てることを選択するタイプです。
補足: 経済的な必要性や環境の変化に対応するために起業を決断するケースが多く、現実的かつ実用的な視点からビジネスを展開します。短期的な生計安定を目指しながらも、長期的な成長を模索する姿勢が見られることもあります。

③自己実現型
特徴
: 個人の夢や情熱、専門性を追求するために起業するタイプです。
補足: 自分自身の価値観や才能を最大限に発揮したいという強い願望から生まれる場合が多いです。社会貢献やアート、技術革新など、自分自身のビジョンを実現するための場としてビジネスを活用し、自己満足と達成感を重視します。

現代の日本において、生計を建てるために仕方なく起業した人は皆無です。仕事を選ばなければ働き口は世の中に沢山あります。アルバイトも社会を支える立派な社会人ですし、わたしは尊敬しています。雇われることや仕事内容に納得しないから、自分のこれまでに培った経験やノウハウを活かす場所で働きたいから起業した、これは立派な③自己実現型の起業の要素が含まれます。発展途上国や戦後の日本とかで働き口がなくて屋台や闇市で商売するとかならともかく、何かしら実現したいことや好きなことがあったはずです。

自分の実現したいこと・好きなことの旗印=経営理念

何かしら実現したいことがあった大きな目的、それが経営理念になります。言葉にすることがやや難しいので、スッと出てこない事が多いんですが、考えたら絶対に出てきます。ちなみに弊社の経営理念は「中小企業の情報化を通じ、業務改善と集客活動を支援」です。この経営理念は、経営のことをもっと知りたかったから独立したという想いと、転職回数が多く大企業や中小企業を渡り歩いて、エンジニアとしての経験もあり、会社の規模で情報化の格差が激しいことに直面した課題を解決したいという考えから構成されています。

もし経営理念について決まっていないのであれば、これを機会に考えてみてはいかがでしょうか。作り方は完全オリジナルではなく、色んな会社の経営理念を参考にしながら自問自答することをオススメしています。

社是・企業理念・SDGsの検索サイト-POLiCY(リンククリックでサイトに移動)

例えばこのサイトでは業種別や地域別の経営理念を検索することが出来ますし、上場企業は全社がWebサイト上で掲げています。
なんか自分に合いそうだな、という経営理念をいくつか合体すれば、それは立派な自社の経営理念になります。

ぜひ、計画を作るタイミングで経営理念についても検討してみてください。

この記事を書いた人

川橋 隆則

中小企業診断士 当事務所の代表を務めています

パティシエからスタートして、システムエンジニアとなり、その後に経営コンサルタントとなった
ちょっと変わった経歴の持ち主です。