今年の目標は〇〇です。だなんて、年始にSNSへ投稿することありますか?
投稿するしないは別として、誰でも何かしらの目標を建てたことはありますよね。
わたしもSNSに目標を書き込むことを毎年やってます。(なかなか実現できないですけど)
では、経営計画における、その目標は正しい?と不安になることはないでしょうか。
経営計画の正しい達成基準とは
達成基準について、間違えている!ということは基本的にありません。1年以内に上場するとか、5,000兆円ほしいとか、とてつもなく高い目標であっても、無理かどうかはやってみないとわかりませんし、少なくともわたしは実務において達成基準の内容について1度も指導したことはありません。ただ、行動が伴わない達成基準は絵に描いた餅になってしまいますし、そこを指摘することはあります。では、正しい達成基準とは何でしょうか。
達成基準は、「定性的・定量的」な基準に分解することができます。
定性的とは、目に見えない、数値化が数値化しにくい基準のことです。例えば
•会社の経営理念やビジョンを実現する
•社会に貢献する
•顧客満足度、従業員満足度を高める
•組織を活性化する
というように、数値化が難しい基準です。
一方で、定量的な基準は数値上で把握しやすいので明確です。例えば
•期間→いつまでに(年次目標、四半期目標、月次目標)
•売上高→どれくらい(客数、客単価)
というように、期間と売上で表現することができます。
この言い方はややわかりにくいので、以下のように定義しています。
定性的:目的
事業計画を立案して進むべき方向性や、達成したい数字以外のこと。
ここが決まると、やらないことが決まります。戦略とは「戦いを省略する」の略ともいわれており、余計なことをすると経営資源(人、お金、モノ、情報など)が分散してしまい、結局のところ何がしたかったの?という状況に陥ります。それを防ぐためにも、何のためにオペレーションを行うのかを定めておくことが望ましいでしょう。
定量的:目標
計画が成功したと考える水準のこと。
ここが決まれば、どれくらいの経営資源を投入するべきなのか決まります。例えば2年後に売上高を倍増したいという目標を掲げた場合、それだけの経営資源を投入しないと実現できないということが判明します。経営資源の投下や投資を怠って目標を達成したいという考え方はあまりおすすめできませんし、計画の策定においては、状況の把握を踏まえたうえで何度も修正することが多いです。
達成基準を目的と目標で考える
目的は進むべき方向性として考えると分かりやすいです。
視点は大きく分けて、「攻勢的・防衛的」の2つです。一般的に経営計画を建てようと努力する経営者は攻勢的な目的を持っていることが多いです。それでいいんですけど、コロナ禍では逆に防衛的な計画もお手伝いしました。
攻勢的な目的、例えば市場の開拓、ニーズや需要の対応、商圏の拡大などが挙げられます。逆に防衛的な目的は致命傷の回避など、いかに存続するかを念頭に置くことになります。
目標は時期と数字で構成されます。
時期に関しては年間でも月間でも構いません。でも細かく日次とかにするとわけが分からなくなるので、まずは年間で目標を作ってから月次に展開するのがおすすめです。数字は売上高と利益で考えましょう。売上高は必要ですが、利益を考えるのが難しいのであれば無くても構いません。その際は、税理士さんや金融機関さん、商工会議所の窓口や弊社のようなコンサルティングサービスを使ってもらえば、会社の状況に応じて伴走して作成を支援してもらえるはずです。
また、利益は予想損益計算書を作るなど精緻に作り込むことが一番いいのですが、昨年までの利益率や業界水準の利益率を参考にしても構いません。

例えるならば、経営計画において目的は舵の役割、目標はエンジンの役割を果たします。
このように達成基準を目的と目標に区分することで、より解像度が高くなり、納得性の高い事業計画を作る事ができるようになります。