dotsは、OpenAIが提供するAIアシスタントです。会話で相談に答えるだけでなく、ブラウザや接続したアプリなどを使って、調べものや資料作成といった作業も進めてくれます。
私はこの数日、dotsに実際の仕事を頼んでみて、これは便利だなと感じています。
特に大きかったのは、dots自身がブラウザを操作することと、別の作業用チャットに仕事を依頼できることです。私が間に入ってAI同士の段取りをつけていた仕事を、一つの窓口から進められるようになりました。
ただ、いろいろ任せられる分、思わぬところで止まることもあります。今回は、何が便利だったのかと、仕事で使っていて見えてきた五つの制約を整理してみます。
dotsの何が画期的なのか
一つ目は、dots自身がブラウザを持っていることです。
指示をすると、ブラウザを開き、必要な操作をして、結果を返してくれる。仮想のコンピューターを使って作業するサービスは以前からありましたが、普段相談しているChatGPTの中から、そのまま作業につながるのが大きいと感じました。
もう一つは、別の作業用チャットを立て、そこに指示を出して進められることです。
私から見ると、dotsが窓口になって「こういう仕事をお願い」と別の担当に依頼し、結果を受け取っているような動きです。自分のチャットの中で返事をするだけでなく、必要な作業を別の場所で進めてくれる。
この二つが組み合わさると、目的を伝えたあとの仕事の進み方が変わります。
計画からテストまで窓口が一つに
例えば、お客さんのホームページに、新しいイベントのページを作る仕事です。
これまでは、まずAIと壁打ちして、何を作るのかを決めていました。次に別のAIへ「この内容を実装して」と頼む。できあがったら、今度はテストを頼んで、表示や問い合わせが正しく動くか確認する。
計画、実装、テスト。それぞれをAIに任せていても、その間をつなぐのは私でした。
dotsでは、目的を伝えると、その窓口が一つになりました。何を作るか相談して、制作を進めてもらい、確認までつなげる。私の作業上の変化を言えば、ここが一番大きいです。
こういうのを待っていたんですよね。
一方で、通常のチャットでは進められたことが、dots経由では止まる場面もありました。動ける範囲が広い分、慎重に止まる場面も多いのかな、というのが使ってみた印象です。
仕事で見えてきた5つの制約
そこで、どういうところで作業が止まるのか、dots自身にも聞いてみました。返ってきた説明と実際の体験を、五つに整理したのが以下です。公式の仕様一覧ではなく、私が今回の使い方を理解するための整理です。
1 接続や機能の限界
作業に必要なパソコンやサービスがつながっていない。連携先がオフラインになっている。何らかの障害で資料を開けない。
こういう状態では、頼んだ作業を進められません。これはdotsに限った話ではないので、分かりやすい制約です。あまり驚くところではありませんでした。
2 承認の確認で止まる
ここは、仕事で使ううえで気になったところです。
資料を扱ってよいか、公開や削除などの操作をしてよいか。私が使った範囲では、こうした確認がかなり慎重に行われる印象でした。
実際、過去の支援資料や議事録を整理してもらおうとしたとき、資料の取り扱いに関する確認で止まりました。私としては、自分が仕事で扱っている資料です。「読んでいい」と伝えれば進むと思ったのですが、許可を伝えても実行できないという返答でした。
ここは困りました。こちらからすると、何を変えれば進むのかが見えにくいんです。
ただ、この一件だけで「dotsは顧客資料を扱えない」とまでは言えません。今回の依頼では止まった。その原因や条件を十分に確認できていない、というところまでが分かっていることです。
3 本人の操作が必要な場面
三つ目は、パスワードや認証用のトークンなど、慎重に扱いたい情報に関わる操作です。
こうした情報をチャットへ貼り付けるのではなく、本人の入力や確認が必要になる場面があります。この点は、ほかのAIを使っていても意識するところです。
便利だからと何でも渡して、情報が漏れてしまっては困ります。積極的に扱わないという姿勢自体には、納得しています。
4 依頼した範囲の境界
「いい感じに報告書を作って」と頼んだとします。
AIがメールなどを調べれば、提出先まで分かるかもしれません。でも、報告書を作ることと、その相手へ送信することは別の作業です。
私には、dotsはこうした依頼の範囲を、比較的狭めに捉えているように見えました。作れるから、そのまま送るところまで進める、とは限らないわけです。
一方、最近Claudeを使っていて、こちらの依頼を広く解釈して先へ進むように感じることもありました。もちろん、これは私の使い方の中で感じた違いです。
どこまでを「頼まれた仕事」と捉えるか。この線の引き方は、AIごとの癖や、仕事で使うときの相性に関わってきそうです。
5 別の方法でも進められない
最後は、今回かなりもどかしかったところです。
過去の議事録を遡って、どういう経緯で話が進んできたのかを要約してもらおうとしました。そこで、顧客情報の取り扱いを理由に作業が止まったんです。
それなら、Claudeに読んでもらって結果を受け取るのはどうか。私が別のチャットで作業して、その内容をdotsに渡すのはどうか。いくつか方法を考えましたが、今回のやり取りでは、どれも先へ進めませんでした。
なかなか頑固です。
この経験から分かったのは、いったん止まった仕事が、単に手段を替えれば進むとは限らないということです。どの条件で再開できるのかまでは、今回確認できませんでした。ただ、利用者としては、許可も伝えているのに進まない、というもどかしさが残りました。
便利だけれど癖はある
ここまで止まる話をしてきましたが、dotsは非常に便利だと思っています。計画、制作、確認の間をつないでくれるだけでも、私の仕事では大きな変化でした。
私はOpenClawのような、自律的に動くAIの仕組みも試してきました。ただ、環境を整え、様子を見て、うまくいかなければ調整する。やっぱり子守りが必要なんですよね。
AIを使うために時間を取られて、作業効率が上がるはずが、あれ、上がっているんかなと。
こうした仕組みを自分で維持し続けるのは、どこかで限界が来そうだと思い、私は早い段階で手放しました。やりたいのは、その先にある仕事ですから。
そこに、ようやく任せられそうなものが出てきた。ただ、使ってみると癖もある。
今のところ、dotsに対する感想はそんなところです。便利に動いてくれる範囲と、止まる場面。その両方を知りながら、仕事でうまく付き合っていければと思っています。
