商圏分析およびアンケート調査(ケーキ店の事例)

皆さま、こんにちは。

本日はケーキ店の経営支援事例の一部をご紹介します。

支援企業の状況について

シェフパティシエは大学卒業から24年の経験を持つ大ベテランの方で、有名店での修行後に父親の後を継ぐ形で入社されました。
最近の売上高は3年前をピークに少しづつ減少傾向になりつつあり、また、原料高の価格転嫁も進まず、少しづつ苦しい状況を迎えました。

ご相談と支援の内容について

ご支援の方向性

当事務所では、ご相談に当たってヒアリングを行い、支援の方向性を定めます。

そのために、まずは現在の財務諸表を分析して、来期の目標利益を達成する売上高を決めます。
今回は、目標売上高を達成するため、売れ筋商品のを見極めるための支援を行います。
それにともなって、ポイントカード会員の顧客住所をもとに、商圏の分析も支援します。

商圏の分析

支援先のケーキ店様はPOSのシステムを用いてポイントカードを発行しており、このシステムによって顧客の住所や電話番号、来店履歴や購買額など、多くのデータを抽出することができます。時間があればじっくりと分析したいところですが、今回のテーマは売れ筋商品の見極めを行うための分析なので、商圏を分析します。

ケーキ店では商圏を分析することで、日常的なニーズに対応しているのか、高級品やオリジナル性などの特別なニーズに対応しているのか、おおよその状況を把握することが出来ます。

ちなみに商圏分析には、GoogleMapがとても便利です。手順はこちらを参考にすると良いと思います。

分析した結果、店舗周辺の顧客がほとんどを占めていました。つまり、まずは日常的ニーズにしっかりと応えることが売上向上のカギになります。
(ちなみに、状況によっては贈答品やプレミアム品などのラインナップを充実させる場合もあります。)

アンケートの実施

商圏分析と合わせて、現在の商品に関する意識調査も併せて行います。アンケートの計画としてどのくらいの回収枚数を期待するか検討します。その後、おおよその回収率から、配布枚数を策定します。
回収率は、その場で書いて回収出来る場合は70%を超えることが多いです。しかし、持ち帰られる場合は20%~30%程度と考えたほうが良いでしょう。
その他に、質問数や回答方法なども回収率に影響を与えますし、インセンティブ(割引券やサンプルなどのプレゼント)も影響を与えます。
もうひとつ、偏りの無い層からのアンケートを収集するためには、アンケートを配布する時間帯や曜日も重要です。

今回の事例では
・アンケートはA4サイズ1枚
・◯印で回答できる質問事項にまとめた
・持ち帰らず、ケーキの包装時間内で回答できた
・次回利用できる金券をプレゼントした
これらの結果から、回収率は80%となりました。

この記事を書いた人

川橋 隆則

中小企業診断士 当事務所の代表を務めています

パティシエからスタートして、システムエンジニアとなり、その後に経営コンサルタントとなった
ちょっと変わった経歴の持ち主です。