皆さま、こんにちは。
本日は、中小企業における勤怠管理のデジタル化支援事例の一部をご紹介します。
支援企業の状況について
支援先の企業は、従業員数51名〜100名規模の中小企業です。紙のタイムカードやExcelを用いたアナログな方法で日々の勤怠管理を行っていました。これにより、有給休暇の付与、取得、失効の管理や休日出勤・代休の処理といった煩雑な作業を、総務部の担当者が手作業で対応していました。このような業務は時間がかかるだけでなく、データの手入力による管理ミスや情報の更新遅れなどの問題が生じており、全体的な業務効率の低下につながっていました。特に、繁忙期や人手不足の時期には、これらの手作業による負担はさらに増大し、社員の働き方にも影響を及ぼしていました。
ご相談と支援の内容について
ご支援の方向性
ご相談を受け、当事務所ではまず現状の業務フローや抱える課題を詳細にヒアリングしました。社員一人ひとりの立場や総務部の負担感を把握することで、具体的な改善策を検討しました。今回の主な目標は、総務部の業務負担軽減と業務効率の大幅な向上、そして社員が自身の勤怠情報をリアルタイムで把握できる環境の実現でした。紙媒体の使用を廃止し、デジタルな勤怠管理システムを導入することで、これらの課題を解決することを目指しました。
勤怠管理システムの選定と導入
まず、無料の勤怠管理ツールの中で企業の要件に合致するものがないかを調査しましたが、要望を十分に満たすツールが見つからなかったため、次に有料の選択肢を検討しました。そこで「ジョブカン」の導入を決定。ジョブカンを選んだ理由は以下の通りです。
• 静脈認証対応:高度なセキュリティ機能により、不正打刻を防止し、正確な勤怠データを取得可能
• 直感的な管理インターフェース:管理者がすぐに操作方法を習得でき、業務効率を高める設計
これらの特長は、特に中小企業において、導入後すぐに効果を発揮する点で非常に魅力的でした。また、ジョブカンはカスタマイズ性も高く、今後の企業成長や業務変革にも柔軟に対応できる点も評価されました。
初期設定とデータ移行の支援
導入に際しては、システムの初期設定や既存データの移行をサポートしました。具体的には、社員情報や過去の勤怠データを正確に移行し、スムーズに新システムを運用開始できるようにしました。また、操作説明会を開催し、社員や総務担当者が新しいシステムを理解・活用できるように支援を行いました。
具体的な取り組み内容
システムの導入と設定
• 事務所入り口にPCを設置し、静脈認証による出退勤管理を開始。これにより、従来の紙ベースのタイムカードを完全に廃止し、データの正確性と即時性を確保しました。
• 社員が支給されたスマートフォンを用いて、いつでもどこでも有給休暇の残数確認や申請ができる環境を整備。これにより、社員の利便性が向上し、自主的な勤怠管理が促進されました。
総務業務の効率化
これまで月に約4日間を要していた勤怠管理業務が、システム導入により約0.5日に短縮されました。具体的には、手作業で行っていたデータ集計や確認作業が自動化され、エラーの発生も大幅に減少しました。これによって総務部は、より重要な業務や戦略的な課題に時間を割くことが可能になり、組織全体の業務効率が向上しました。
また、デジタル化によって管理データが一元化され、過去の勤怠データの検索や分析が容易になりました。これにより、社員の出勤状況や休暇消化状況を迅速に把握できるようになり、問題発生時の対処もスムーズに行えるようになりました。
導入後の効果と今後の展望
ジョブカン導入後、勤怠データの一元管理が実現し、紙媒体の使用が完全に廃止されました。これにより、以下のような効果が得られました。
• 正確で迅速な勤怠集計:データの入力ミスが減少し、月次報告や給与計算が効率化
• 総務部の業務負担軽減:手作業の削減により、管理にかかる時間が大幅に短縮
• 社員の利便性向上:自分の勤怠情報をリアルタイムで確認・申請できることで、働き方の透明性が向上
さらに、今回の取り組みにより、社員一人ひとりが自身の労働時間や休暇状況を把握しやすくなり、ワークライフバランスの改善にもつながりました。総務部だけでなく、現場の社員もデジタルツールの利便性を実感し、業務全体のモチベーション向上にも寄与しました。
今回の事例は、デジタル化によって業務効率化を実現し、従業員全体の働きやすさに貢献するものとなりました。今後も、こうしたデジタルソリューションを通じて、多くの企業の業務改革を支援し、未来の働き方改革に寄与してまいります。