2017.11.20

経営革新等支援機関に関連する施策について

皆さん、こんにちは。王子かわはし事務所の川橋です。
平成29年8月31日、当事務所は経営革新等支援機関の認定を受けました。

私自身、実は申請してみたものの、いったい何が出来るのかよく分かっていません。。
そこで今回は、経営革新等支援機関について調べた内容をご紹介したいと思います。

経営革新等支援機関ってどんな制度なの?

市場のグローバル化・少子高齢化・情報化など、環境変化のスピードは早く、かつ中小企業の経営課題も複雑、かつ複合的になりつつあります。
そんな中、経営を支援する側に専門性が求められますが、だれがどんな専門性を持っているのか見えにくく、企業は複雑化する経営相談を誰にすればよいか解りにくい、という課題がありました。
そこで、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行されました。

中小企業経営力強化支援法では、国が認定した経営革新等支援機関を公表して、どこに、どのような認定経営革新等支援機関があるのかを「見える化」することで、中小企業が安心して経営相談できる環境を整えることが盛り込まれています。

つまり、経営革新等支援機関とは、国が支援機関の専門性を認め、身近な経営相談の相手としての「見える化」です。

ちなみに、平成29年8月31日時点では、26,857機関となっています。支援機関は、主に税理士や金融機関などで構成されています。

経営革新等支援機関の関与で使える支援施策には何があるの?

経営革新等支援機関による経営指導やアドバイス、つまり関与することによって、次の5つの施策や制度が利用できます。

認定経営革新等支援機関による経営改善計画策定支援事業

中小企業が経営改善のための計画を作成するときに受ける支援料を国が負担してくれます。

経営改善とは、要は「前期より利益を上げる」というシンプルなことです。
しかし、経営改善の方法は多岐にわたります。数字上のことだけでも販売する数を増やす、販売の単価を上げる、経費を削減するという方法がありますし、これらは単独ではなく複合して進めていくことになります。
更に数字上のことに加え、お客様のニーズやライバルの動向などの会社の外側のこと、どういう体制で事業を進めていくかという社内の事など、、なかなか思うように計画を作ることは難しいです。加えて、計画が目論見どおりに進んでいるのかを客観的に把握することもなかなか難しいでしょう。

そこで、この支援事業では、支援機関に支払う計画策定と定期的な支援(モニタリング)にかかる費用の利用の3分の2、上限は200万円までの補助で、専門家の活用を支援しています。

それにしても、読むと舌を噛みそうな名前です。

詳細はこちら 「中小企業庁 経営改善計画策定支援事業」

商業・サービス業・農林水産業活性化税制

経営改善設備の取得を行った場合に、特別償却又は税額控除の適用を認める制度です。
適用期間は平成29年の3月まででしたが、消費税の増税にともなって、適用期間が2年間延長されて平成30年3月までとなっています。

器具備品、建物附属設備を取得や製作等した場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除が選択適用できます。

ただ、ちょっと条件が複雑です。
・器具備品(ショーケース、看板、レジスター等)の単価は1台あたり30万円以上です。
・建物附属設備(空調施設、昇降機設備、電気設備、店舗内装等)の単価は1台あたり60万円以上です。
・利用できる業種は、おおむね製造業以外の業種です。
・7%の税額控除が選択できるのは資本金が3,000万円以下の中小事業者か、個人事業主になっています。

特別償却と税額控除を選択できる場合にはどちらが最適なのか?手続きの方法は?など、この制度については後日まとめてみます。

詳細はこちら 「中小企業庁 商業・サービス業・農林水産業活性化税制」

経営力強化保証制度

中小企業が金融機関と認定経営革新等支援機関の支援を受けながら、自ら事業計画を策定し、経営改善に取り組む場合に信用保証協会が保証料を減免することが出来ます。
保証協会の保証料の概ね0.2%が減免されます。

利用イメージ(保証時)

利用イメージ(期中)

取組事例などを見てみると、当事務所のような民間コンサルよりも、金融機関が支援する際の施策という気もします。

詳細はこちら「経営力強化保証制度」
取組事例は 「経営力強化保証(取組事例集)」

中小企業経営力強化資金

起業・創業したり、経営の多角化や事業転換などの挑戦によって、新しい市場の創出・開拓を行おうとする中小企業・小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が低利融資を行います。

融資にあたっては、
・経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
・自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方
の2つを満たす必要があります。

ミラサポの経営力強化資金ページがとても良くまとまっています。

融資の限度額や利率などの条件はありますが、低利・無担保・無保証人で融資を受けることが可能です。

経営革新等支援機関の役割は
【事業計画の策定支援】
1,事業者の新たな取り組みの内容の確認、評価等を行う。
2,専門的知識等をもとに、事業計画の妥当性等を評価。必要に応じ、事業計画の改善等を支援する。

【事業計画の実行支援】
1,半年に1回を目安として、事業者が事業計画に従い、実行する事業の進捗状況を把握する。
2,事業計画の進捗状況に応じ、事業計画の見直し等、事業者に対し経営指導を実施する。

というように、フェーズごとに、それぞれ2つあります。

貸付の限度額や利率は時期によって変動するので、日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金を見ていただくのが良いと思います。

経営支援型セーフティネット貸付

円高・デフレ等の影響を受けて資金繰りに困難を来していて、認定支援機関等の経営支援を受ける中小企業・小規模事業者が、日本政策金融公庫等より低利融資を受けることが出来ます。

具体的には、以下のいずれかに該当する事業者になります。
・最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している方
・最近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期に比し減少しており、かつ、今後も売上減少が見込まれる方
・最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期に比し悪化している方
・最近の取引条件が回収条件の長期化または支払条件の短縮化等により悪化している方
・社会的な要因による一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障を来している方または来すおそれのある方
・最近の決算期において、赤字幅が縮小したものの税引前損益または経常損益で損失を生じている方
・前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの利益準備金及び任意積立金等の合計額を上回る繰越欠損金を有している方
・前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの債務償還年数が15年以上である方

また、認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受け、雇用を維持することで、基準利率よりも最大0.6%の金利引き下げを受けることができます。

こちらも貸付の限度額や利率は時期によって変動するので、日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金を見ていただくのが良いと思います。

支援を受けることによる中小企業のメリットって?

経営革新等支援機関を利用することによって、中小事業者には以下のメリットがあります。

経営状況の見える化

経営をとりまくお客様のニーズや競合となるライバルなど社外の環境と、それに対応している自社の状況の整理整頓を通じて、経営課題の抽出や、目標策定の基礎づくりができます。

目標と目標達成までの道筋づくり

経営上の課題を克服して成長するための目標と、その達成手段の道筋を作ることが出来ます。また、その道筋を柔軟に軌道修正しながら、目標を達成するために伴走するパートナーとなります。

資金調達力の強化

借入の利率や保証率の低減、また計画書の作成による金融機関への信用獲得が図れます。経営革新等支援機関を活用することで最も見えやすいメリットはこれかもしれません。

まとめ

まとめると、こんな感じでしょうか。

・経営革新等支援機関の制度は、支援する側の専門性を国が認証する制度のこと。

・中小事業者が受けれる国の施策には、支援に関わる費用の補助や税や金利の優遇などがある。

・中小事業者にとっては、資金調達力の強化や質の高い経営改善のアドバイスを受けられる。

当事務所では、これらの施策を積極的に活用提案していきますので、
・詳しく知りたい
・相談に乗ってほしい

など、お困りごとがありましたら、お気軽にご相談下さい。